年金理解のために国民年金の想定金利を計算してみました。
公的年金は金利という発想で運用されていないようです。インターネットで調べても見つかりません。それで、自分で計算してみようということになりました。
計算対象は、払込金額と受給額が分かりやすい国民年金といわれる老齢基礎年金を対象にしました。厚生年金は複雑そうなので簡単にはできそうもありません。
それでインターネットで情報を仕入れてエクセルでで計算してみました。61歳の僕の世代と、23歳の息子の世代、それから、もらい得、といわれている父の世代。父の世代は、計算しやすいので今80歳で満額受給されている方を例にとりました。僕の父は88歳です。
条件は
- 掛け金は過去分は実績、将来分は現行が続くという想定
- 受給額も過去分は実績、将来分は現行が続くという想定
- 僕の場合は24から、他は20歳から60歳の誕生日まで支払い。
- 需給期間は男性寿命の中央値83歳まで(平均は81、最頻は87です)。
- 年複利。利子への課税は無し。
- 受給開始後も残高に利息は発生
この条件で計算すると、結果は以下のテーブルのようなりました。細かい間違いはあるかもしれませんがだいたいこんな感じだと思います。
僕のケース
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息子のケース
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80歳の方
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払込金額(単位万)
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513
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780
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245
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払込年数
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36
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40
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40
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受取金額(単位万)
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1330
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1482
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1893
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受取金額から逆算した年利
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3.1%
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1.8%
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9.3%
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受取金額/払込金額
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2.6
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1.9
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7.7
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80歳の方の利率がやはり圧倒的によく、63年間にわたって年利9.3%複利で運用されるという結果になりました。驚いたのは、昔の掛け金の安さです。東京オリンピックのころの掛け金は月にたった100円です!!万博の年においてもいまの18分の一以下です。
僕の世代の想定金利は3.1%です。
インターネットで“年金 支払い損世代”で検索すると、“55歳以下はおさめ損”という2014年の記事が上位に来るのですが、何かの間違いであると思います。
僕たちの世代は、実際は83歳までに、掛け金の2,6倍を受け取れるという計算です。これは、お宝、といわれるバブルのころの個人年金と受給額だけを見ると遜色はないです。つまり、利率はとても良いということです。
息子の世代では、あくまで掛け金が増えず、受取が減らないという前提ですが、1.8%の金利です。受取額は1.9倍。今の銀行金利を考えると、抜群に良いことは間違いないですが、ほかの二つの世代とは大きく見劣りしますね。
しかし、受給額をだけを見ると、80歳の方の受給額は息子の世代の1.3倍弱にすぎません。受取金額だけ見れば3世代に大差はありません。
団塊の世代以上の方がもらい得というのは、その掛け金がすさまじく安かったことが理由です。いまの80歳の方の20代10年間での支払合計は、なんと一万九千円ほどです。息子の世代と比べるとわずか100分の一。
当時の掛け金では今の支給額は到底無理です。支給額を大幅に上げたタイミングで、政治的な判断で積立てが少なかった人たちを優遇してしまったのでしょうね。これは失政ですよ。積立てが少なかった世代には追加の徴収をするべきだったのでしょう。追加金額とその後の年金を選択制にすれば不満も出なかったのではないかと思うのですが。
しかし、これはもうどうしようもありません。これからできることは、今の世代の1.8%相当の運用を維持できるかどうかだと思います。しっかり運用すれば、できなくはない数字だと思います。死守してほしい数字です。
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