平日の四時前の入館でしたから入場時はすいていました。夕方になるにしたがって人の数は増えてきましたが、自由に見て回るのには不自由しない程度の込み具合でした。
テーマとしては地味ですが、博物館通いが好きな方なら見逃せない内容です。
東京国立博物館の特別展は総じてレベルが高く満足度は高いのですが、そのなかでも今回の展示は密度が濃いように感じました。言い換えれば、自分が見たいものがぎっしり詰まっていました。
この展示のメインは荒神谷遺跡と加茂岩倉遺跡からの銅剣、銅矛そして銅鐸です。その数に圧倒されました。また他の場所から出土した絵付きの銅鐸も展示されておりこれらも非常に興味深い物でした。
展示の入り口に置かれている宇豆柱も圧巻です。三本の巨木をまとめて直径3mの柱として使われたものの出土品でそれがそのまま展示されています。
それを示す造営図が長く伝えられていたのですが、それが示す本殿があまりに巨大でその信ぴょう性が疑われていたのです。しかし、この宇豆柱の出土によりその設計図の価値が一気に高まったそうです。こういう話は、好きです。
それに基づいた本殿の十分の一模型も展示されています。これも出雲市から借りて来たようです。あまり大きく紹介されていませんが、この模型も満足度が高いです。
柱の出土品と造営図とそれに基づいた模型。これらが全て一つの展示室で見れるのです。さすが東京の国立博物館です。
それから、卑弥呼が魏から贈られた鏡の一つかもしれないといわれている、神原神社古墳から出土した景初三年の文字付きの三角縁神獣鏡も展示されていました。卑弥呼が使節を派遣したのが景初三年なんですね。この文字も拡大鏡で確認。感動です。
三世紀ころといわれる黒塚古から出土した三角縁神獣鏡33面もすべて展示です。
四隅突出型墳丘墓関連の展示もありました。出土品と西谷古墳の上空からの映像。この出雲地方独特の古墳は大和朝廷型の前方後円墳に移行していくのです。
ここまでで展示の半分です。僕としてはここまでで充分。四隅突出型墳丘の出土品まで見れると思っていなかったので大満足でした。
ここで休憩して、もちろん残りの半分も見て帰りました。この特別展は三月まで続くのでもう一度見に行ってもいいかなと思っています。
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